開幕のごあいさつ

G2

いよいよ「江戸の青空」の第二弾「惚れた晴れたの八百八町」が開幕します。
いや、これ、自分で言うのもなんですが、なかなか見応えのある舞台に出来上がりましたよ。いや、ほんとに。
以下に見どころなんぞをつらつらと書き上げてみますので、お時間のある方はご一読くださいませ。

まず、ご説明しておきたいのが、
第二弾ではありますが、前回をご覧になっていなくてとも全く支障はありません。
なにしろ、ぜんぜん違うお話ですから。
古典落語のおもしろどころを繋げ、一本のストーリーに仕立てている、という、
そんなシリーズの第二弾というわけです。
今回は、恋愛モノに絞って選んでみました。
恋愛モノというと、
「なに? ロミオとジュリエットみたいなの?」「それともハーレクインロマンス?」
という風にお感じの方も多いようですが、なんのなんの、そこは落語。きっちりと恋愛モノでも笑わせてくれます。
なにしろ、恋愛の状態にある人間って、なんだかお馬鹿さんに見えませんか?
恋は盲目、とも申します。
恋に盛り上がっているカップルって、ハタ目から見るとなんともおかしなものです。
それでも当人たちは気付いておりません。それなりに懸命に相手のことを思ったり、勘違いして喧嘩してしまったり、仲直りして、また盛り上がってしまったり。
そんな恋愛関係にある男女の面白味を余すこと無く描いたのが、この作品なのです。
若い二人だけではありません。
出演者全員が何かしら恋愛の滑稽な一面を演じてくれます。いや、その演技のあまりの面白さに、演出家の僕自身でさえ、稽古場で、今は劇場で、関係者のくせに腹をかかえて笑ってしまいます。
そして……そっと泣いたりもしています。
なにしろ不思議なもので、それでも人は誰かに恋してしまうのですね。
そんな切ない気持ちや、一途な思いは、はからずもジンと胸にきたりもします。
はい、この舞台では、ラストにとても感動的な場面をご用意しております。
皆さんもきっと、笑い転げながら、ひそかに涙をぬぐうことでしょう。

あと、見どころは、なんと場面が38シーンもあること。
38と聞いてもピンと来ないかもしれませんが、ちなみに私が手がけた一番場面数の多いミュージカルでも24場面です。
それが38ともなると……もう常識ハズレも良いところです。
その38シーンを一体どういう演出で見せていくのか? そこも楽しみにして頂きたいと思います。業界初のアッという手法を新開発、弊社製品比較180%アップのビジュアルをお届けします。

また、古典落語と言っても決して「お芸術」にはなっておりません。
もともと落語は庶民の娯楽。そう、ラクゴはゴラクなのです。
この舞台作品でもその精神は貫かれています。とても愉しいエンターティンメントです。
しかし、そこは同じ娯楽作品でも質の高いものを目指しております。
ごくごく普通の演劇ファンの方から、落語ファンの皆様、そして普段その両方ともご覧にならない方まで、実に幅広くお楽しみいただけることをここに保証します。

最後に、
全日程のほぼ半分のステージ終了後、出演者全員によるアフタートークイベントがあります。
(日程はコチラからご確認ください)
今回、集まった8人のメンバー。タレント業もやる松尾、落語家の花緑をはじめ、
演劇界でもフリートークをやらせてもピカイチという、植本、松永、戸次の面々も控えております。
歌舞伎界から参戦の巳之助に、今回が初舞台という初々しい朝倉も、なかなかのいっちょかみ。吉野のボケも見逃せません。
舞台を見て大笑いし、とどめにアフタートークでも……笑いすぎて呼吸困難になった場合は、お近くの係員にお知らせ下さい。

それでは、
ぜひ劇場に足をお運びいただきますよう、お願い致しまして、私のご挨拶に代えさせて頂きます。