今年はアメリカだ!! 過去2回、演劇の街ロンドンを旅して現地の空気を感じて来たG2。
名作ミュージカル『THE LIGHT IN THE PIAZZA』の演出を控え、
いよいよ聖地ブロードウェイを目指すことに。
今回もハプニング満載?でミュージカルのおもしろさをお伝えいたします。
▼#1
いざシカゴへ!


▼#2
シカゴ乗り物三昧


▼#3
ライト・イン・ザ・ピアッツア!


▼#4
ニューヨーク上空380m


▼#5
中村座N.Y.公演


▼#6
怒濤の17時間


▼#7
思いをめぐらせて

 熱いっすね。そう、熱い。もう「暑い」という表現じゃ足りない。
 東京は40度越え。部屋の中にいても熱中症になるほど。
 そんな熱さのなか、私は今、錦糸町のスタジオで「憑神」稽古の真っ最中。こっちのほうは絶好調。凄く面白くなりそうな予感。なにしろ……あ、稽古場日誌じゃなかったね、これ。

 アメリカ旅行記の第二回目なのでございます。さて、猛暑の日本にくらべ、二週間前のシカゴは、半袖ではちょいと寒いくらいのクールな夏。
 そしていきなりもっと寒くなるような事件。
 オヘア空港から、シカゴのホテルまで、ブルーラインという地下鉄 (といっても地上も走るんすけどね)に乗っていた私は、シカゴまでまだ半分というところで、強制的に下車させられたのです。しかも乗客全員。
 幹線道路の上、高架にある駅から、乗客は、ぞろぞろと下への非常階段を降りていく。
 と、そこには「ブルーライン」とクレジットされた二両仕立てのバスが二台。なんのことはない。ブルーラインは現在一部工事中で、その区間をシャトルバスが往復しているという状況だったわけ。ふう。テロでなくて良かった。

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おかげで市内バス観光気分も味わえた……のはいいけれど、空港からホテルまでタクシーに乗っていれば20分ほどで到着したものを、なんと2時間もかかってしまった。
 だって、ブルーライン自体が(工事の関係もあったのだろうが)かなりの徐行運転だったし、シャトルバスも、地下鉄の駅へ向かうだけでなく、バスストップがあるたびに停車するという律儀モノ。
ようやく市街地についたと思ったら、そこからまたまた地下鉄のレッドラインに乗り換えたり(もう意地でもタクシーは使わない)と、まあ波乱万丈のスタート。

 さて時刻はすでに15時。もうシカゴ美術館はあきらめた。芸術欲よりも食欲。なにしろ昼ご飯がまだ。地球の歩き方によれば、シカゴの名物料理はピザなのだとか。イタリアの皮の薄いピザもあるけれど、ご当地のお勧めは深鍋で作ったぶ厚いディープ・ディッシュ・ピザ。ピザの有名店にむかうべく今度は高架鉄道に乗る。

 シカゴは高架鉄道が環状に走るエリアがあって、ここをループエリアと呼び、ビル群の中心。そのループエリアから環状に高架鉄道や地下鉄が延びていて、これらを称して「L」と呼んでいる。

あのハリウッド版「Shall We Dance?」の舞台となった鉄道だ。リチャード・ギア気分でLに乗る。
遅っ! 遅すぎる。これじゃあ園内一周のモノレールだよ。でも、よく見りゃしかたがない。何しろカーブがキツイ。キツイところは90度! 普通の速度で走れるわけがない。シカゴの人ってのんびり屋が多いのかも。

 さて、ダウンタウンでLを降り、お目当てのピザ屋へ。


でかい。

 スモールだって二人がかりでも食べきれないほどの量。まず量に圧倒されて、味わうどころではない。サラダも、これ何? 十人前ですか? と叫ぶほどの大きさ。アイスティーも1リットルはあったな。
 ほとほと呆れていると、隣の女性二人組は、レギュラーサイズとサラダを発注。「大丈夫?」と、それとなく窺っていると、全然平気であっという間に完食。ちなみにお二人はごくごく普通の体格です。どうなってんだこの人たちの胃袋は。

 そんなこんなでもう17時前。タイムリミットはあと数時間。
 大して何かをやる時間も無い。お手軽なシカゴ観光は? と調べると、ウォータータクシーなんてものがある。早速チャレンジ。


 ミシガン湖をジェットボートがすべるように走る。観光用ってことでもないんだろうけれど、これにのる湖面から、シカゴのビル群を鑑賞できたうえに、普通のタクシーくらいの料金だから、まあ、なんかお得。

 と、空を見上げると、セスナが宣伝用ののぼりをはためかせている。

こういうの初めて見た。アメリカっぽいなあ。巨大な電光掲示版をつけた飛行船も飛んでいる。港では黒人のジャジーなブルース演奏をやってる。そういやシカゴに来たのに、ライブハウスでシカゴ・ブルースを聴かないなんて本当はあり得ない。
 けれど、今夜はやるべきことがある。そして明日にはシカゴを出なければならない。今まで観光気分だったけれど、この旅には目的があるのだ。

 ウォータータクシーを降りるとそこはヨットハーバー。

 とんでもない数のヨットが停泊している。多いので岸辺には停泊できず、岸から十数メートル離れたところに浮かぶ無数のブイに繋がれていた。「すげえなあ」と眺めていると、こんな一団も。

 テレビでは見たけれど、初めて生で観たな。なんて言ったけね、この二輪車。こういうツアーもあるのね。今度シカゴに来たら、これも乗りたい。……って次、いつ来れるんだろ?

 さて、徒歩10分で、遂に目的地、シカゴ大学へ到着。
 いや、厳密にはシカゴ大学が目的地ではない。このビルの1F に……。それはまた次回。


次回、8月24日(金)更新予定 どうぞお楽しみに!


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『憑神』





















 

 

 





















 

 

 

 





高架鉄道
前回登場の地下鉄も含めて「L(エル)」と呼ばれています。これはElevated Train(高架鉄道の意)の略から。なんで地下鉄もそう呼ぶのかというと、現在地下に潜ってる路線もそもそもは高架の上を走っていたからなんだとか。













Shall We Dance?
1996年公開の周防正行監督作品が、2004年にリチャード・ギア主演でリメイク。ハリウッドにしてはめずらしく、ほぼ原作通り。竹中直人が演じたあの役もぼぼ忠実に再現!?

リチャード・ギア気分
ちなみに高架の下をクルマで走るとジョン・ベルーシ気分も味わえます? 映画「ブルース・ブラザーズ」もシカゴが舞台なのです。


ディープ・ディッシュ・ピザ
シカゴ風のピザは、パイのように生地を皿型に伸ばし、チーズや具をたっぷりと詰めて焼き上げるボリューム満点スタイルなのです。




















ウォータータクシー
文字通り水上を走ります。片道2ドル。一日乗車券は4ドル。「タクシー」といいながらも停留所は決まってるので「バス」っぽい感じ。






 

 

 

 























































この二輪車の名前
「セグウェイ」が正式名称でした。シカゴやニューヨークでは警察に採用されていて、警官がこれに乗って巡回している姿も。写真の一団は観光客向け「ミシガン湖畔のセグウェイツアー」なんだとか。





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