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行く手に恐ろしい罠が待っているとは全く気づいていない私は、「どれ、カムデン・ロック(水門)見学としゃれ込もうか」と、カムデン・ロック・マーケットから、川沿いへ出る。 そうなのだ。ここのマーケットは、古い倉庫を改造したもの。ロンドンの「古い」ははんぱじゃない。建物の状況を見るにゆうに100年〜300年くらい前か? 実際はわかりません。知りたい人は調べて私に教えて。運河は舟の交通手段でもあり、昔は、カムデンは水運の町だったんでしょうねえ。ところが、エンジンが発明され、運河が交通手段の花形でなくなり、倉庫が用なしになってしまい、若者たちが安く借りてマーケットにしていった。てな筋書きか。 ![]() ![]() ![]() |
さて、水門ってどこにあるんだろうと、運河を上ってみたがいっこうに見つからない。でも、道中、「アワハウス」に出てくるシチュエーションを発見。運河のこちら側は古い昔ながらの建物。運河のあちら側は、超近代的なマンション。![]() この構図を見て、ティム・ファースは物語の全体の構図を作ったんだろう。「アワハウス」の物語は、この運河から始まるのだ。主人公ジョー(中川晃教)が、サラ(池田有希子)をデートに誘う、あの夜がまぶたに浮かんでくるぜ、ちきしょー。 ![]() やっぱりね。1年以上は公演を続けることを前提としたウエスト・エンドの公演と、2ヶ月ぽっちの日本版とでは、どうしても予算が違う。(ま、それを工夫してお客さんにそんなことを全くカンジさせないのがG2手腕だけれどね)でも、この運河を実際に見て感動した私は、運河のシーンだけはオリジナル版よりもお金をかけてしまいました。えへへ。 |
それにしてもロック(水門)が見つからない。で、今度は下流に行こうとした私は発見します。最初に水門を見ていたのに気がつかなかったんです。最初に見てました。こんな地味なものだとは思わなかったもので。![]() 要するにこの水門、開けたり閉じたりして水位を変えて、舟を通行させる仕組みなんですね。スエズ運河だったかパナマ運河を舟が行くのと同じ要領ですね。でも、前述のように、舟の交通は今やほとんど無いみたいなので、水門が開かれる気配はぜんぜんありませぬ。 さて、次はいよいよケイシー・ストリートだ。きっとこの近くだから、ぶらぶら歩いているうちに発見するだろう、てないい加減な調子で、ケイシー・ストリートを探す。駅に貼ってあった地図には載っていなかったから、よほど小さな通りなんだろう。ケイシー・ストリートはマッドネスの歌詞にも登場するから実在の通りに違いない。さっそくあたりを探索していると、お、「アワハウス」の物語にも関係するものを発見。 ![]() ![]() |
![]() 歩くこと2時間。はい。ケイシーストリートは全く、見つかりません。 それもそのはず、多分、ケイシー・ストリートは実在しないか、実在したとしてもカムデン・タウンにはありません。次の日、例のインターネット・カフェでグーグルUKを検索したけれどひっかかって来ませんでした。グーグルUKの地図も超拡大してすみずみまで見ましたが、そんな通りはありませんでした。 ちなみにグーグルUKって日本でも(当然ながら)見られるんすよね。日本でグーグルって検索してもイギリス版には普通は繋がりませんけれど、URLの最後をukと差し替えるとOK。あとね、アマゾンUKも日本で利用できますよ。日本にないDVDをお探しの人は、イギリスはエリアコードが同じなので、アマゾンUKがお勧め。(ただしパソコン視聴しか保証しませんが)日本のアマゾンと買い物の手順が同じなので、英語がわからなくとも、なんとなくショッピングできちゃう。ただし送料がバカになりませんので要注意。 と、ここで私に大ピンチのお知らせです。 長時間の徒歩が腰の怒りを買ってしまいました。腰痛のため一歩も歩けないという状況に陥ってしまったのです。いや、まいりました。地下鉄の駅からカムデン運河まで往路は5分で来られたのに、復路は、半歩ずつしか歩けないからその4倍近い時間がかかりました。しかもその間、腰痛は痛さを増していくばかり。最悪の事態。このあと、敵役のプレスマン(後藤ひろひと)が住む高級住宅街ハムステッドも見たかったし、1幕のラストシーン、アルバート橋の夜景も見たいのに。 死にそうになりながら、ようやくホテルの部屋に戻った私。 ベッドに寝ころぶ。腰痛からようやく解放された私の頭は、思い出さなくてもいいこと思い出してしまいます。「そうだ。メール問題を解決せねば」 身体が動かない分、頭は働きます。「さて、どうやってネットのコネクタを見つけ出すか?」日本の町の電気量販店でも、「日本×イギリス」のコネクタが売っているかどうか怪しいのに、ロンドンのちょっとした電気屋に置いてあるかしら? いやいや、何よりもまず、二回にわたってロンドンを歩きまわっていながら、電気屋というものを一度も目にしたことなどないではないか? 3冊持ってきた旅行ガイドにも、電気屋についてのコメントは全く無し。 うーむ。どうするか? 腰がこの調子だからうろうろ探すワケにもいかないし、私の英語力では道を聞くこともできない。はっきり目的地を決めて最小限の徒歩にしておかなければ、今度は立つこともできなくなるかも。 その時に私がとった作戦は「そうだ。ハロッズへ行こう」 次回、ロンドン日記最終回をお楽しみに。 |