ロンドン!
 ここは、ミュージカル「アワハウス」の舞台となったロンドンの中心から少し北にはずれた町・カムデンタウン。私が立っているこの場所は、その町の風物ともいえる、カムデン・ロック・マーケットあたり。

 そうなのです。そうなのです。そうなのです。
「アワハウス」の演出の構想を練るため、私はわざわざこの「カムデン・タウン」にやってきたのです。しかしながら、あわただしく決まった突然の旅、超低予算、相変わらずの海外旅行無知、という三拍子揃った、大変な旅となりました。
 そんなワケで、第2クール目のG2のロンドン日記は、〜苦闘編〜 とでも言うべき、災難につぐ災難。そもそもは、海外旅行のシロウトなくせに、ロンドンは二度目ということで、どこか舐めていた私。皆さんも私の失敗の轍を踏まないよう、ぜひ、この日記をお楽しみください。
 たぶん、週一のペースで書いていくと思われますので、時々チェックしてくだされまし。

 さあ、今回は第0回。日本での準備編を書いてみたいと思いまする。
 前回のロンドン旅行と同様、今回も突然思い立っての旅でした。ロンドン・ミュージカル「アワハウス」の演出というオファーを受け、初のミュージカル演出ということもあって、なんと公演10ヶ月前の昨年8月に美術セットの打ち合わせを開始したのでありますが、どうも、ピリッと来ない。それもそのはず、ロンドンで本家の「アワハウス」を見てから、2年の月日が流れておりました。ただでさえ記憶力の乏しい私は、ロンドンのイメージをすっかり失っていたのでありました。「アワハウス日本版」は、演出家が来日しての公演ではなく、G2オリジナル演出。別に「アワハウス」がどんなミュージカルだったのかは特に覚えて無くとも仕事はできるのですが、今回、美術に関しては思うところあって、「カムデン・タウン」のビジュアルをしっかり日本の観客の皆様に提示したい。ところがその言い出しっぺの私がイメージを忘れてしまっているのは困りもの。それに台本を読み込んでいくうちに、「カムデン・タウン」やその周辺の舞台となっている町を、登場人物たちが生きていた町を、見て歩きたいという欲求にかられてしまったのです。
 地方公演や、打ち合わせや、台本執筆の合間を縫って、なんとか確保できた日数は5日間。実質現地3日間という短期間。
 しかも大至急、格安チケットをゲットしなければならない。
 で、ネット検索でひっかかってきたのが、「IACEトラベル」という会社。
 前回、安チケット大手のH社で、12万円ほどかかった往復旅券が、9万円でゲットできるというので、早速メールでチケット申し込みをしてしまったのでした。
 結果から言うと、今回の旅で、この旅行社との出会いだけが救いとなりました。
 店舗に出向くことを考えて、自宅に近いS支店に申し込みメールを送ったのですが、担当のTさんがとても素晴らしかった。とにかく、なんでもかんでもすべてメールのやりとりでカタがついたし、(この旅行だけはスタッフに頼まず、自分ですべて手配したい。ところが、昼間は朝から晩までとんでもなく忙しい生活をしている私にはこれはとても大きなこと)Tさんは、私のコロコロかわる希望にたんたんとお答えいただいたし、なによりも良いなーと思ったのは、一度9万円のチケットでゴーをかけていたにもかかわらず、「8万円台のチケットが出てきましたので、そちらに変えますか?」とのメールが来た時。前回H社に「10万円程度で入手したい」と電話したら「えーっ? 10万円ですか?」と聞き返された時にできた心の傷が癒されるようでした。
 同時に確保してもらったホテルも良かった。これについてはまた別の回で詳細お伝えしますが、ウエスト・エンドの劇場巡りを考えている人には絶好の場所でしたよ。もちろんビジネスホテルですけど。

 チケット、宿は取れた。次に心配になってきたのが現地での仕事環境。
 台本執筆中の旅行のため、飛行機の中や、午前中は台本を書きながらという生活が予想される。ところが、前回、愛機パワーブックG4の充電ができないというトラブルで困った経験アリ。
 これをなんとか解決して旅に出たい私。
 で、早速、某量販店へ。変圧器売り場の人に「前回の旅行で、変圧器でノートブックの電池の充電ができず困った。原因は何か?」と聞いたところ「それはあり得ない」とか「では、バッテリーをたくさん持って行けば?」というそっけない答え。むかついたので別の量販店へ。そこでも「熱を持つというのには様々な原因がありますが、安全なのはこの変圧器ですね」と出されたのが、海外長期在住者用の大きな変圧器。
腰が弱い私は、重い荷物を持つのは致命傷。この二件目の量販店の担当の人はとても親切で、その他にもいろいろ調べてくれた。でもね、前の人が問題外としても、この人もとてつもなく無知だった。
 結局打開策が見つからず、へとへとに疲れて家に帰った私は、ふとこう思ったのです。「マッキントッシュ」ってアメリカから直輸入のものが日本で使える。ってことは「マック」は全世界で「変圧器」を使わなくても使えるんじゃないか?
 そう狙いをつけた私は、アップル社のHPへ。何かヒントは? と探すうち、あっけなくこんなものが見つかった!


Apple ポータブル電源アダプタ(角型)用にデザインされた6種類のACプラグがあれば、世界中のほとんどの国でiBook、PowerBook、さらにiPodも充電することができます。



 さっそく、アップル直営店へ行きゲット! パッケージを開けてみると、英国、ニュージーランド、中国、北米、韓国、英国を除くヨーロッパに対応した6つの変換アダプターが梱包されていました。そして、この製品のおかげで様々な謎が解けることに。
まず、声を大にして言いたいのは、

教訓1★パソコンに限らず「ACアダプター」がついていれば「変圧器」はほぼ不要であること!

 今回、私がロンドンに持って行った電気製品、パワーブック、デジカメ、携帯電話の3点すべてが「ACアダプター」が100V〜220Vをカバーしているため、変換プラグさえあれば、「変圧器」は不要でした。

教訓2★マックのあのACアダプターは、全世界を睨んでのデザインだった!

 マック純正のACアダプターって、プラグの先端が取りはずしできますよね。もちろん、そのことで延長ができるわけですけれど、ケーブル延長のためだけにスマートなデザインで誇るアップル社がこんな意味のないことするかなあ? というのが私の長年の謎だったのですが、それが解けました。
 この取り外しできる部分を、各国用のプラグに差し替えることによって、全世界で簡単にマックが使えるようになるのです。しかも、このデザインが優れているところは、他のノートブックのACアダプターと比べるとよおくわかります。


 普通のって、こういう形状じゃないですか。それにイギリスの変換プラグをつけてみました。
 でもね、この状態じゃ使えないんです。というのは、アダプターからコンセントまでをつなぐケーブルが、日本仕様だからなのです。このケーブルを、イギリスの電圧に耐えられるものと交換しなければ、パソコンは使えません。
 ところがマックは、このケーブル部分を排除しました。だから、プラグ部分の差し替えだけでイギリスでもスマートに使えるのです。うーん、さすがマック。


 前回のロンドンで、あんな症状になった理由もわかりました。空港で買った変圧器って35W制限がついていました。

 ところが、パワーブックの使用電気容量は65W。つまり変圧器の容量オーバーだったわけです。今回、試してはいませんが、100Wをカバーする変圧器なら、問題なく使えたんでしょう。っていうか変圧器いらないし。前回も勇気をふるって、変換器なしでコンセントに繋ぐことを試みていたら、充電できたのでした。まあ、でも壊れたらイヤだから、できなかったんだけど。

 というワケで、私は、全国の量販店の店員に言いたい。
 ACアダプターがついているノートパソコンってえものはな、海外で「変圧器」など必要としないんだよっ! そのくらい知っておけよ。教えろよっ!

 さて、これでなんとか渡英準備のととのった私ですが、いよいよ出発当日。空港で、搭乗しようとゲートに到着してみたら、「飛行機はすでに離陸しました」という事態に陥ってしまうのです。さて、この大ピンチを私はいかに乗り越えたか? それは次回のお話。

第1回>>

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