キリシタンの反逆者・森宗意軒が編み出した秘術「魔界転生」。この世に悔いを残している者が、いまわの際に仕掛けを施した女体と交わることで力漲る肉体に転生を果たす術。
この転生の術に心惹かれ、宗意軒の家来となり、次々と転生を果たしてゆく名だたるかつての剣豪達。
田宮坊太郎、宝蔵院胤舜、天草四郎、柳生如雲斎、柳生宗矩、荒木又右衛門、宮本武蔵の7人の魔界衆が誕生する。
宗意軒はこの剣豪達を武器に幕府への復讐を企むのだが、ひとり、なんとしても仲間に引き入れたい剣豪がいた…。

その男、柳生十兵衛三厳は柳生の里で異変を感じ取る。名君として知られる紀州藩主・徳川頼宣の突然の乱行、そしてその背後でうごめく魔界衆の存在。国の危機と悟った十兵衛は魔界衆と戦う道を選ぶが、事が事だけに表立って動くことが出来ない。そこで弟子の柳生衆を同行させ、巡礼の一行を装い紀州領地内を移動することを思いつく。

しかし、一方、この奇策は魔界衆にとっても好都合であった。十兵衛を仲間に引き入れんと巡礼の行く先々で待ち受ける魔界衆。転生を果たし魔界の力を手に入れた剣豪達は想像を絶する剣技を以て十兵衛一行に襲いかかるのであった……。


「時代モノって時代背景がわかってないと理解できないのかも…」という心配はご無用。
今回の「魔界転生」公演ではイヤホンガイドを導入。歌舞伎、文楽、能などの伝統芸能や、外国語演劇でおなじみのイヤホンガイドですが、なんと普通(?)の演劇公演では初の試み。
劇中に散りばめられた、時代背景、史実、そして伝説を、あなたが知りたいそのタイミングに、簡潔にわかりやすくお話します。さらに「魔界」の世界へ深く引き込まれること間違いなし!  解説者は、おくだ健太郎氏(歌舞伎、文楽イヤホンガイド、NHK、J-wave、などで「演劇ソムリエ」として活躍中)。本編中のガイドのほかにも、休憩時間に盛りだくさんの企画をご用意いたしております。
イヤホンガイドの詳細についてはこちらの株式会社イヤホンガイドをご覧ください。
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(やまだ ふうたろう:1922年1月4日-2001年7月28日)
1947年『達磨峠の事件』にてデビュー。初期は推理小説を中心に発表していたが、1958年に発表した『甲賀忍法帖』を皮切りに「忍法帖もの」を多数発表、一大ブームを巻き起こす。奇想天外なストーリーの大衆小説を中心に数多くの作品を残した。

『魔界転生』
大阪新聞紙上にて1964年12月から65年2月まで「おぼろ忍法帖」の名前で連載。1981年に映画化するにあたり、山田風太郎氏の意向で「魔界転生」と改題された。


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