長崎県内のホテルの一室。
翌日に子供のためのショーを控えた人気子供番組の歌のおにいさん・三浦(片桐仁)の部屋に、人形師・ヒロ(松尾貴史)と、体操のおにいさん・岩田(久ヶ沢徹)がやってくる。
二人に早く部屋から出て行ってほしいと思う三浦をよそに、50歳の誕生日を迎えながら年下の三浦にお金をせがむヒロと、地元にも係わらず実家にも帰らず飲んだくれる岩田。
そこに番組のプロデューサー・小島(岩井秀人)が、歌のおねえさん・坂本(吉本菜穂子)を連れてくる。なんと明日のショーで、坂本は歌のおねえさんを降板するのだという。
泣きながらプロデューサーに理由を詰め寄る坂本。険悪な空気が流れる中、突然、ミサキとなのる女(新谷真弓)が現れる。彼女は一体何者なのか?
そんな中、ショーの出演者の熊崎が刺されたという連絡が入る。しかも、主役キャラクター「クマゾー」の着ぐるみを着たまま刺されたらしい。番組で一番人気のキャラクターなだけに、「クマゾー」抜きでのショーはありえない。血まみれのまま「クマゾー」を子供たちの前に出せるのか?それとも、別の内容に変更するしかないのか?
中止が危ぶまれる明日のショー。
しかし、ショーを成功させれば降板は取り消しになるかもしれないと張り切る坂本。自分の人形「キョロタン」が主役になれるかもしれないとほくそ笑むヒロ。地元で自分の見せ場をつくるべく「どーなってるんだ体操」で盛り上げようと考える岩田。主役を欠いたショーを乗り切るべく、なぜかクローゼットの女・ミサキも加わり、いつしかショーのシミュレーションが始まる。
一方、プロデューサーとしての立場上、熊崎が刺された時刻のアリバイをひとりひとりに聞いていく小島。まさか犯人がこの中にいるのか? 熊崎がうわごとで言う「悪かった。でもお前じゃない」の真相とは?
欲望・嫉妬・保身・疑惑…。純粋な子供たちの前では決して見せられない、それぞれの「大人の事情」が暴かれた時、彼らに奇跡が訪れる。 |