稽古初日。大西Pによるキャスト、スタッフの紹介に続き、稽古日程が配られる。
何これ？時間割り表じゃん！！　そう、今回は７つの話とそれをつなぐ”つなぎ”が６つで、合計13科目の単位を５月25日の稽古終了までに習得せねばならんのだ。だからその日ごとに１時間目は圭史、２時間目は倉持さん…といった具合になる。う〜ん、なんだか大変そう。そしてG2から演出方針の発表があった。

G2「今回は僕の中で標語（テーマの事か？）を決めてるねん。今回はマジカル７でいきます」

１カメ　俳優部グループショット　　　　　「………？」
２カメ　スタッフグループショット　　　　「………？」
「？」顔のプレリードック　Ｖインサート　　「……？」

G2「もちろん笑いもとりにいくけど、全体的に乾いた感じ。クールというか、汗をかかない」

１カメ　俳優部グループショット　　　　　「………？？？」
２カメ　スタッフグループショット　　　　「………？？？」
３カメ　稽古場　俯瞰ショット　　　　　　「………？？？」
すんごい数のプレリードック　Ｖインサート　「……？？？」

G２の言いたい事は誰にも伝わらなかったようだ。ただなんとなく”G２対オモシロ大好き俳優部”のゴングは鳴らされた感じ。早速、１時間目は読み合わせ。んで、いきなり立ち稽古。慣れない事に場内騒然。２時間目は圭史の「素晴らしい愛をもう一度」、３時間目は倉持さんの「MEAT DOLL」。
そして焼き肉屋へGO！　今日のテーマは”男の本音”。辺見伝説は「この間、リサを見たわよ…」で始まる。

稽古2日目。稽古場移動。今回は３つの稽古場を転々とする。面倒くさい。
１時間目は倉持さんの「MEAT DOLL」立ち稽古。動きがちょいと複雑なんでおじさん俳優たちはあたふたする。中でも転球のあたふたぶりは他の追随を許さない。他人に操られ”ああ、体が勝手に…”という動きなので、表情と動作が一致してはいけないのに、正直者の転球はどうしても動き通りの表情をしてしまう。動きを無視すると、”無視してますよ〜”という顔になる。転球のおすましフェイスに笑いが止まらなかった。それにしても倉持さんはいつもこんな事を考えてるのかぁと感心させられる。変な人なんだろうな。お会いしたい。
７人の作家の方たちはそれぞれご自分が所属されてる劇団やグループがあるので、脚本を読んでると、そこの俳優さんたちの顔が浮かんでおもしろい。この役はあの人がやるのかなーみたいな。２時間目は千葉さんの「危険がいっぱい」の読み合わせ。猫ホテメンバーの顔が浮かぶ。でも立ち稽古になると、１時間目は恐縮してた転球が俄然”転球ワールド”を展開する。ダメ先輩をやらせると彼のおもしろさはぶっちぎり！今日は転球デーだ。
そして飲み屋へ。制作の藤野さんをお招きして、男と女のよもやま話。いろんなカップルがいるのねえ。

久ヶ沢さんは………、元………………、夢の遊眠社だ。
へぇ、へぇ、へぇ。　　３へぇ。

稽古３日目。二日酔いでしんどい。G２が15分遅刻。その間、みんなでつなぎトーク。松尾さんは昔、警察に突然来訪され、フリチンで対応したらしい。お風呂の途中だったらしいが、権力に対して自分は丸腰であるという強い意思表示を感じる。さすがだ。
先生が来たところで、１時間目は大王の「ONE ARMED FORCES」の立ち稽古。昨日観た大王のパルコの芝居、おもしろかった。大王はまた腕を上げた。この作品も短いながら大王のオモシロがぎゅっと詰まっている。チキンブイヨン、チキンブイヨン。２回言うたった。演出部の田中さんが稽古用に作ったダンボールの爆弾がかわいらしい。
２時間目は倉持さんの「MEAT DOLL」。複雑な動きに、おじさんたちは相変わらずあたふたする。休憩中、久ヶ沢さんが自分の出演したミュージカルの話をした。久ヶ沢さんとオレは不思議な縁で、そのミュージカル「FOOT LOOSE」の初演では、オレが久ヶ沢さんと同じ役をやっている。オレが初演でしでかした事で、久ヶ沢さんに迷惑をかけたらしい。先輩がワルかったから校則が厳しくなった、みたいな。購買部でガムの販売が禁止になった、みたいな。
３時間目は千葉さんの「危険がいっぱい」。えみりちゃんがかわいい。いい匂い。えみりちゃんは今日、名古屋で仕事をしてから稽古場に駆けつけた。コングさんは今月、帝劇の”レミゼ”に出演中。松尾さんも昇太さんもお忙しそう。オレも今日、朝まで飲み歩いてたのに頑張っている。みんな、偉い！
そして飲み屋へ。オレと演助の山田が転球のサポーター宣言。転球！チャチャチャ！　転球！チャチャチャ！

稽古４日目。G2、また遅刻。初日以来、俳優部全員が揃う。
あらためて、何だ、この７人は？　おっさんなのにおばちゃんだったり、おねえちゃんなのにおっさんだったり、おとぼけメガネだったり、筋肉モリモリなのにメガネだったり。集合時間はきっちり守るが、すぐ休憩したがる。一体、何のために集められたんだ？「ゴールデンウィークって何？」みたいな顔しやがって。
１時間目は土田くんの「潜入」の読み合わせ＆立ち稽古。このばらばらの７人が団結する話だ。土田くんは去年まで文化庁の芸術家留学制度でロンドンに演劇留学していた。留学してディスカバージャパンに目覚めたのか、土田くんの作品は”忍者もの”だ。しかしダメ忍者だ。誰も忍者らしい機敏な動きをしようとしない。「休憩しない？」が合い言葉になってる。そして休憩時間にカップラーメンが大流行。何じゃ、こいつら？
２時間目は故林さんの「理想の部屋」の読み合わせ＆立ち稽古。昇太さんのおとぼけ総理大臣に爆笑。実は、故林さんはこの７人にミュージカルをやらせようとしている。

…故林さん、いいの？

３時間目は倉持さんの「MEAT DOLL」。昇太さんのおとぼけセミナー男に爆笑。昇太さんはなんであんなにとぼけられるんだ。

そして飲み屋へGO！
この７人の中に袋とじ経験者がいるなんて！

稽古5日目。稽古場移動。ほんと面倒くさい。
１時間目はダンス稽古…。
ダダダダ、ダンスって君ぃ！
じゃあ、パフォーマンス？
パパパパ、パフォーマンスって君ぃ！
井手さんの振り付けは早い。次々と振り付けられた。しかし井手さんのジャージは長い。長過ぎる。”殿中でござる”みたいになっている。そうとうはき込んでいるのか、裾の方が擦り切れている…と井手さんのジャージに気をとられていたら、振り付けられていた。一人一人振りが違うので、間違っても気づかれない。人にやさしい、地球にやさしい”エコダンス”だと井手さんが言っていた。なるほどなぁーと感心していたら、また振り付けられた。井手さんってすごい！
えみりちゃんのリクエストでカレーを食いに行ったあと、２時間目は大王の「ONE ARMED FORCES」の稽古。今世紀最大の睡魔に襲われた。セリフは覚えられず、ダメ出しされてもうわの空。ごめんなさい、G2。
３時間目は故林さんの「理想の部屋」。昇太さんのアイディアがどんどん採用される。ぺコラが流行る。C型ペコラ。

そして中華料理へ。辺見えびちり。春風亭ぎょーざ。コング下ネタ…。

稽古６日目。パンフレット用のインタビュー始まる。大堀さんに30分も偉そうな事をしゃべったった。
１時間目は歌の稽古。史朗さん登場。作詞　故林さん　作曲　史朗さん。みんな、楽譜が読めないけど歌う気満々だ。なんだかあっという間に歌えた。こういう場面に遭遇するといつも思うけど、何事も楽しめる人が集まると話がスムーズにすすんで気持ちがいいのだ。文句タレが一人でもいると空気も悪くなるし、時間がかかる。なぜ文句が出るかと言うと、自分の実力以上の事をしようとするからだ。結局のところ、自分の保身のための行動は全てにおいて効率が悪いのでは？　と考えていたら、また井手さんに振り付けられた！！　ビックリして耳がでっかくなっちゃった！！　いつの間にか２時間目のダンスが始まっていたのだ…。
エコダンスは偉大だ。その人の”たたずまい”を基本に振り付けているから、踊らなくてもダンスになる。お！　ええ事言ってるっぽい。もう１回言うたれ。踊らなくてもダンスになる！　英語っぽく言うたれ。No dance But just dance！　…あってるのか？

休憩時間にG2が「おいしいおそば屋さんが近所にあるで。行く？」とみんなを誘った。案の定その店は閉まっており、麹町をあてもなくネバーエンディングストーリーで歩き回った。危うく麹町に詳しくなるとこだった。
３時間目は故林さんの「理想の部屋」。この作品は、俳優にとっては難しい。故林さんが俳優部に挑戦状をたたきつけてきたと言っても過言ではない。燃えるぜ！
そして飲み屋へ。えみりちゃんの好物は焼きそば、しめさば、ポテトフライ、ドーナッツ。金のかからんガールやなぁ。

ほんま、ケミカルウォッシュみたいな顔しやがって！　
そうそう、ケミカルウォッシュは肌にいいよねって、こら！
「ケミカル〜〜〜、ウォッシュ！」って変身できるか！

ケミカルウォッシュを使っての突っ込みでした。

稽古７日目。また朝まで飲んでしまい、フラフラ。何やってんだか。
１時間目はダンス。井手さんの”殿中でござる”ジャージは、今日で３本目だ。ジャージは”殿中でござる”ジャージと決めているのか？　いつもサイズの在庫がない店で買ってしまうのか？　それとも…って危ない！　考え事してるすきにまた振り付けられるぞ！
今日のテーマはミュージカルっぽい振り。あえてミュージカルっぽく。創作居酒屋なのにあえて枝豆、みたいな。そういえば昇太さんが枝豆の栽培を始めるそうだ。うれしそうだ。
２時間目は土田くんの「潜入」。この作品のオレは、おぎやはぎに強烈にインスパイヤされている。誰にもばれてないみたいだから黙っとこ。昇太さんのおとぼけ忍者に爆笑。昇太さんはほんと、おとぼけ上手だ。昇太さんは稽古中ずっと「この中だったら、俺が一番人間国宝に近いんだぞ。40年後には確実に人間国宝になるんだぞ。もっと敬え！」と言ってきかない。このままだと、おとぼけ人間国宝が40年後に誕生してしまう。

今日はさすがに飲みに行かなかった。もう寝る。おやすみ。

久ヶ沢さんは……、昔………………、加藤健一事務所の養成所にいた。
へえ、へえ、へえ、へえ。　　４へえ。

稽古８日目。ふくらはぎが痛いっす。階段がつらいっす。
１時間目はダンスの稽古。井手さんがストレッチを指導してくれた。体が伸びた。助かった。でもコングさんはストレッチがつらそう。ストレッチ中ずっと「う〜〜〜う〜〜〜」とお岩さんのようなうめき声をあげていた。コングさんはダンスが楽しいのか誰よりも大きな声で「よろしくお願いします！」と井手さんに挨拶する。でも数分後、呼吸音しか聞こえなくなる。回復すると誰よりも大きな声ではしゃぐ。んでまた数分後、呼吸音しか聞こえなくなる。不思議な生き物だ。
２時間目は故林さんの「理想の部屋」。G２が突然、歯痛を訴える。そうとう痛そうにしてたけど、突然の事に本人以外はきょとんとしている。稽古が終了になるかと思ったけど、G２は踏ん張った。でも痛みに波があるらしく、ダメ出しをしている最中みるみる声が小さくなる。本人の分析によると２分間の激痛の後、10分間痛みがましになるというサイクルらしい。１時間半、そんな調子だったから、G２は計14分の激痛に耐えた事になる。明日、絶対に歯医者行きなはれ。

今日は不思議な生き物を２匹見た。
今日もまっすぐ帰った。明日からセ・パ交流戦か。井川がやっと２勝目か。

稽古前に散髪行ったった。散髪といってもオレの場合、７割がおしゃべりで、３割がカット。７割がおしゃべりで、３割が歌のさだまさしのコンサートに似ている。

稽古９日目。稽古場移動。舞監の太郎さん登場。太郎さんはやさしそうなイケメンだ。いわゆる、”やさメン”だ。でもまだG2が現れない。また遅刻かと思いきや、木曜日、突然襲われた奥歯の痛みがひどくなってるらしい。虫歯とかではなく心因性（ストレス？我々のせいか？）の痛みで、医者に、しゃべる事まかりならん！と診断されたそうだ。ひえ〜〜！えらい事になった！稽古もまだ前半なのに、演出家がしゃべれなくなるなんて！しゃべれなくなったら、オレの散髪なんて10分で終わってしまう。さだまさしのコンサートも30分で終わってしまう。どうする、今日の稽古？　自習にする？
１時間目、自習。さぼり放題！　カエラはメールし放題！　と思いきや、演出家不在のまま倉持さんの「MEAT DOLL」の稽古。他人に操られる動きがどうもうまくいかない。っていうか、本人たちが納得いかない。ビデオに撮って見たりして問題点ははっきりしたが、演出家不在なので、それ以上先へは進めない。
２時間目、自習。演出家不在のまま千葉さんの「危険がいっぱい」の稽古。”やさメン”の太郎さんに大ウケ。”やさメン”スマイル連発だ。転球、コングさん、久ヶ沢さんのトリオは太郎さんでなくとも笑ってしまう。

昇太さんの引率で、おいしい立ち食いそばとおいしい立ち飲み屋をはしご。珍しく（初めて？）飲み屋で芝居の話をした。ぶっちゃけ、５分ぐらいだったけど。

えみりちゃんは今、ドラマのお仕事と掛け持ちしている。今日も早朝から夜中まで、ドラマ→稽古→ドラマというスケジュールらしい。そのハードさを知ってる我々は「大丈夫？　元気でいるか？　街には慣れたか？　友達できたか？」と、さだまさしで声を掛けてあげた。「山は死にますか？　海は死にますか？　風はどーですか？」…知らんがな！

稽古10日目。また稽古場移動。超面倒くさい。１時間目はダンスの稽古。エコダンスはその人の”たたずまい”が基本になって振り付けられてるから、”たたずまい力”のある人が空間を支配する。何秒間か松尾さんのソロがあるけど、”たたずまい力”に勝る松尾さんは左右のひざをカクカクする振りだけで、ドラマシティやサンシャインのような大空間を支配する。恐ろしい！　っていうか怖い。我々が真似をすると絶対やけどをする。
２時間目は圭史の「素晴らしい愛をもう一度」。作家の方みんな”らしさ”が出てておもしろいけど、これもほんと、圭史らしい。圭史ってこんな事考えてるのかぁと思うとキュンとなる。世の中の大半の若者が”自分探し”の旅に出たがるが、圭史はもうその手間がいらないね。えみりちゃんの奥さん役がかわいい。いい匂い。キュンとくる。そろそろ作品と作品の間のセットチェンジも考慮しつつ稽古するので、太郎さんと田中えりちゃんの動きがあわただしくなる。
ドラマに戻るえみりちゃんとの別れを惜しみつつ、飲み屋へ。立ち飲み屋大好き人間集まれ！　「Stand up Drinkers」結成！

実は昨日の２時間目からG2は復帰している。一時は、筆談で演出するのか！？という噂まで流れたが、一日休んだだけで稽古場に戻ってきた。でも心因性の痛みだから、ストレスがかかるといつまた痛みだすかわからない。だから何を言われても「はい、はい、G2さんの言う通りですよ」と答えてあげるのが一番。我々もつらいけど、G２は居ても居なくてもいい状態、彼の存在をできるだけ無視してあげる環境づくりが何よりのやさしさだと思う。頑張れ、G2！　ふふふ。

稽古11日目。稽古場移動。ほんまに、もう！　でもこれで稽古場めぐりの旅は終わり。今日からは仮セットのある稽古場で、たっぷりどっぷりねっちょりべっちょり稽古できる。あれ？　ネドベドって何の選手だったけ？
引地さんがパンフレット用の稽古場写真を撮ってくれた。自然に振る舞おうとして、みんな不自然になってる。１時間目は大王の「ONE ARMED FORCES」。設定のおもしろさとビジュアルが命の作品だから、俳優が動いてみせながら、セットの形状を決めていった。結構時間がかかったなぁ。
２時間目は故林さんの「理想の部屋」。G２の演出が冴える。どうした？　らしくないぞ！　無視しづらいじゃないか。まあ、面白い演出だからいいけど。休憩時間、昇太さんが独り言で「貞吉や〜」と始める。明日の落語会のために、芝居のセリフとは別に落語を一席暗記中。昇太さんの頭の中は今、すんごい事になってる。
そして飲み屋へ。コングさんの口癖は「ちがうねん、ちがうねん！」違わなくても「ちがうねん、ちがうねん！」えみりちゃんは「表参道で妖精を見た！」と言って譲らないし、今日もオモシロ飲み会だった。

稽古12日目。音響の内藤さん登場。内藤さんはいつも落ち着いている。何度か芝居を一緒にやらせてもらってるが、フリチンで稽古場を走り回っている内藤さんを見た事がない。いやいや、それはオレもしねえ。
１時間目は圭史の「素晴らしい愛をもう一度」。前後のセットチェンジも含めての稽古だった。オムニバスものが必ず直面する問題が、セットチェンジだ。セットを簡略化、抽象化する事で時間を短縮するのが一般的だが、G2はさらに”魅せる”セットチェンジをやりたがっている。G2が言うところの”マジカル７”だ。本当にうまくいくのかなぁ。歯痛マンの言う事は、にわかには信じがたい。聞き取りにくいとこもあって、G２が何かを強く主張すると絶対「ん？」って空気になる。
２時間目は千葉さんの「危険がいっぱい」。コングさんは間違えてセリフを覚えてしまうと、それが抜けないみたい。”アナル”をずっと”アヌス”と言い続けてる。みんなに指摘されると、また「ちがうねん、ちがうねん！」を連発。さらに「意味はあってるやん…」と小声で言い訳。それでも頑張って”アナル”と言おうとしたら、”アナス”と言ってしまった。ちょちょまり過ぎ！
そんなコングさんと飲み屋へ。不覚にも芝居の話をしてしまった。

Happy Birthday to you〜　
Happy Birthday to you〜
Happy Birthday Dear 松尾さ〜ん
Happy Birthday to you〜〜〜　　よっ！パチパチパチ！

稽古13日目。松尾さんにみんなで稽古用のジャージをプレゼントした。喜んでくれた。大西さんと藤野さんが用意してくれたケーキがうまかった。最近、甘いもんがうまくて困る。
40代半ばにさしかかったのに、松尾さんは全くもってお子ちゃまだ。むしろ年齢を重ねるごとに、お子ちゃま化に拍車がかかっている。今日も、小道具の布からほつれていた糸で輪っかをつくり、ペットボトルやひとの指にそれを引っ掛けて遊んでいた。退屈しのぎではなく、積極的に楽しんでいる。笑ってる。「わー」とか「んー」とか言ってる。G２の帽子にその糸を引っ掛けようとして必死になってる。なんか、５歳ぐらい。「大丈夫？」と声を掛けようとしたら「ねえねえ、指貸して、指！」って言われた。

１時間目は大王の「ONE ARMED FORCES」。田中えりちゃんが 本番と同じ寸法のケースを用意してくれた。大きめの、しかもシースルーで中に液体が入っているケースだから重いんだ、これが！体感で７、８kgある。その重いケースをめぐって松尾さんとオレはあたふたするので、地味だけど結構しんどい。転球もずっと無理な体勢を強いられているので、つらそう。ウケてほしいなぁ。ウケなかったら、こんなしんどい事、即やめる宣言。　
誕生日のお祝いムードに便乗して、コングさんがえみりちゃんにボディタッチを始めた。っていうかおしりをタッチしてる。こら！　コング！　森繁きどりか、おまえは！　知床の岬か、ここは！　えみりちゃんも喜んでないで、逃げなさい！　エロ王国ですか、ここは？　セクハラ王によるマイッチング憲法制定日ですか、今日は？
２時間目は倉持さんの「MEAT DOLL」。くそ〜、久ヶ沢さんの秋葉キャラがおもしろい。サモアリめ〜！　オレ、どうしよう？　ものまねもやらされるし…。
昇太さんが「今ね、久ヶ沢君の入ってるトイレの電気を消したら、子供！って言われちゃった」とわざわざ報告しに来た。なんだろ？　男は40過ぎるとみんな、お子ちゃま化していくのだろうか？
そして飲み屋へ。単身赴任の転球、寂しい夜…。

久ヶ沢さんは………、サモアリナンズの………………、正式劇団員ではない。
へえ、へえ、へえ、へえ、へえ。　５へえ。

稽古14日目。今、チャリンコで稽古場に通っているので、寒さが身にしみる。空が、どんよりしてる。アイルランドのサビた空だ。行った事ないから、想像で。
１時間目は歌稽古。故林さんの「理想の部屋」で歌う。歌って踊る…。大丈夫か？とご心配の声もござりましょうが、一生懸命頑張っております。一生懸命ハモっております。
久ヶ沢さんとオレは同じパートを担当してる。でも歌といったらやっぱエロング（コング改め）さん。一緒に歌ったら、エロングさんの高音の迫力に負けて、低音をキープできないところが一カ所ある。歌詞は「傘もな〜い〜」。んで、エロングさん抜きでカラオケで歌ってみた。あれ？　やっぱり他の音につられる。今度は無伴奏で二人だけで歌ってみた。パーフェクト！　もう一度、エロングさんと歌ってみた。また、つられた。どうやら二人はそこのハモリは自信がなく、お互いの顔色をうかがっていた事が判明。♪傘もな〜い〜　そう、今なら歌えるのに。

今まで隠してきたけど、実はまだ６作品しか台本があがっていない。１作品がまだ１枚もきていない…。そう（ケラさんだから…Kだな）、Kさんだ！公演が重なってお忙しいKさんだから、もしかして初日に間に合わないんじゃないかとみんなビクビクしていた。　

だけど遂に…。

２時間目、ケラさんのホンの読み合わせ＆立ち稽古！ドンドンドン！パフパフパフ！タイトルもないし、まだ途中だけど、いい！そんな事はいいのだ！だってもうすでに面白いもん！

今日は寒いのでまっすぐ帰った。「マイケルは触ってない！」と証言してるカルキン君。若いのに、色々大変だなぁ。

ん？　東京湾のコククジラって「ソラちゃん」って名前だったの？　いつの間に…。死んでからニオイがどうのとか言われてかわいそう。

稽古15日目。衣装の遠藤さん登場。チロリアンっぽい。なんか、マイムマイムを踊りそう。今回は早替えばっかだし、７作品の”色”のバランスがあるし、大変でしょうな。「潜入」の忍者の衣装、カッコいい！　早く着てみたい。
そしてケラさん登場。ケラさんのホンも遂に完成！　やったね、サンドロヴィッチ！ケラリーノ・サンドロヴィッチ！　あっという間に面白いホンが書けるなんて、魔法だね。魔法を使ったんだね、サンドロヴィッチ。ファミレスで魔法を使ったんだね、サンドロヴィッチ。しばらく稽古を見ていたが、サンドロヴィッチはいつの間にか消えて、いなくなっていた…。
１時間目はダンス。なんか、ダンス楽しくなってきたぞー。井手さんのおかげあるよ。謝謝。
井手さんはパンを食べていた。井手さんは菓子パンが似合う。細かい変更をして、ダンスも完成！あとは我々に託された。26日からトラムで、井手さんのソロライヴがあるよ。観たいよー。でもその日、我々は大阪だよ。あいやー。
２時間目は土田君の「潜入」。衣装はカッコいいのに、華麗なアクションは全くない。もしかしたら、この作品が一番消費カロリーが少ないかも。ずっと、ぼそぼそしゃべるし。だらだらしてるし。でもおもしろいから一番効率がいいのか。

今日もまっすぐ……と思いきや、昇太さんに誘われ、経堂の寿司屋へ。ジャンジャン時代の乾電池やヴォードビルの話を聞いた。

昨日の「タイガー＆ドラゴン」おもしろかった。古田さんはすごいなぁ。あこがれちゃうなぁ。

稽古16日目。照明の倉本さん、美術の加藤さん登場。倉本さんはオレと同じMヘッド族なのに、カッコいい！　おしゃれ！　ダンディ！　メンズクラブ！　Mヘッド族の中では唯一、ノアの方舟への乗船を許される男だ。加藤さんはいつもニコニコしてる。か、わ、い〜い〜！
制作の大西さん、藤野さん、たえ、バーチー。松尾さんのマネージャーの若菜さん。チロリアン遠藤。なんだい、おまえたち？　何を見たいんだい？　私たちの通し稽古が見たいのかい？　通し稽古を見に来たのかい？　…女王様とお呼び！！！

１時間目は圭史の「素晴らしい愛をもう一度」。セリフがいくつか変更。夫婦役の松尾さんとえみりちゃんがもう少しで流れをつかめそう。がんばっ！松尾さんが泣きながら電話に出るとこ、好き。なんべん見ても笑う。
２時間目は各作品のセットチェンジの稽古。７人と太郎さんと田中えりちゃんしかいないから、結構大変。やること、いっぱい。暗転にしたらぁ？と言いたい気持ちをぐっとこらえて、G２の演出に従う。こういう演出にG２はすんげえ美学がある。勢いがある。間違えて、カッコよく見えてしまう時がないわけではない。今逆らったら、絶対負ける…。あ、そういえばおめえさん、歯痛はどうしたんだよ、歯痛は？
そして３時間目は……、そうだよ。おまえたちがお待ちかねの、通し稽古だよ。…女王様とお呼び！！！
一応通ったけど、７作品がほんとに個性的だから、俳優部が振り回されてしまっている。いかんいかん！　これでは、いかん！　よ〜し、とりあえず、飲みながら反省会だ！　おー！　作家たちに負けるな！　おー、…ってエロング、なに、アルバイトの女の子にちょかい出してんだよー。
♪オレの話を聞け〜。

稽古17日目。稽古前に昇太さんはよく不動産のチラシを見てる。購入予定はなくても、一戸建てを買う気になれば、仕事にやる気が出てくるそうだ。「ちくしょうー、１億５千万かよ！　よ〜〜〜し！」　…自己暗示、priceless。
１時間目は倉持さんの「MEAT DOLL」。転球には独自のメソッドがあって、それを構築してつくられた演技体を”転球ワールド”と我々は呼んでいる。独自の世界でありながら、まわりとの協調も計算されている”転球ワールド”はみんなのあこがれの的だ。動きの制約に苦しんでいた転球だが、G２に「自己啓発セミナーに来そうな人」という演出を受けた途端、”転球ワールド”が展開した。爆笑。
２時間目は千葉さんの「危険がいっぱい」。セットチェンジを含めての稽古。セットチェンジをしながら作品の空気をつくっていくから、これも気が抜けない。いわいる前説みたいなものか。「わー、パチパチパチ。ハイ、どうもー！　えーとね、今から楽しいお芝居を観ていただくわけなんですけど、何がおもしろいかっていうとね、もう、久ヶ沢さんの顔ね！　奇面組か！って顔するんですよ。もう、無表情が腹立つ！みたいなね。時々、うっすら笑うし。腹立ちますよ〜。あとコングさんが果たして”アナル”と言えるかどうかね。今日も”アナル”と”アヌス”が混じって”アナス”って言ってましたからね。もう、かなりの確率で言えませんよ〜」って感じのセットチェンジかな。…かなって君！
３時間目は歌の稽古。史郎さんに来てもらって、とりあえず録音してみた。例の”傘もな〜い〜”問題は史郎さんと内藤さんのマジックで解決した。てじな〜にゃ！！

今日はますっぐ……と思いきや、昇太さんと飲みに行った。モテたいなぁと天を仰ぐ二人…。
千歳船橋の夜。

稽古18日目。稽古場に向かう途中、♪傘もな〜い〜と口ずさんでしまったアンガールズです。あいあい。
１時間目は圭史の「素晴らしい愛をもう一度」。松尾さんとえみりちゃんの抜き稽古。そのあと、チンピラ俳優たちをまじえての稽古とセットチェンジの稽古。松尾さんとえみりちゃんはできてきた。…違うよ。夫婦役の空気がよ。あとは、金のためなら何でもやるチンピラ俳優野郎たちがどうからむかだ。自家製の中太麺に、とんこつしょうゆスープがどうからむかだ。ラーメン食べたい。帰りに天一食ってくればよかった。いやいや、もう衣装の採寸がすんでるから、夜中のラーメンは御法度だ。今日は我々のからみが中途半端だった気がする。稽古しないと。セットチェンジもやる事いっぱいで大変。もう、ヤメテ！（by 横山弁護士）
２時間目は衣装パレード。いわゆる、衣装合わせ。チロリアンと田中えりちゃんの指示で衣装を着る→G２のOKをもらう→制作のおざキングと大西さんのデジカメで撮ってもらう、の繰り返し。予想通りの重ね着地獄だ。本番は恐らく汗だくだ。衣装替えの８割が早替えだから、俳優が着る順番を間違えたら、もうそこで終わりだ。ゲームオーバー。太郎さんが舞台に出て「えー、出演中の俳優の不手際により、本日の公演は中止とさせていただきます！」と土下座をしなければならない。あ、えみりちゃんの忍者姿がかわいいから、それだけでも見てもらおうか。っていうか、えみりちゃんの七変化を見てもらうのいいんじゃない？　しかも生着替え！　もう最初からそういう企画にしたら？　芝居と見せかけて、途中から生着替え＆撮影会。どう、これ？　衣装をセクシーめにして、ちょっと料金あげるとかさ。そうなると太郎さんの演技力にかかってるな。よし、明日から土下座の特訓だ！　ってコラッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！

今日はまっすぐ帰った。あ、「ぷっすま」にえみりちゃんが出てる。おーい！（手を振っている）ごめんなさ〜〜い。